第6章

 私を追えば、小林美月は銃撃戦の真っ只中で死ぬ。

 小林美月を守れば、私は逃げおおせる。

 彼がどちらを選ぶか、私には分かっていた。

 もう彼への期待など、とうに捨てている。

 案の定、彼は取って返し、小林美月をその身で庇った。

 混乱する群衆の縁に立ち、私は彼に向けてこの上なく皮肉な笑みを浮かべる。

 守ればいい。精一杯、大切に守ってやればいいさ。

 真実を知った時、その愛がどれほどの憎悪に変わるのか、見物だわ。

 私は踵を返し、手配済みの車へと迷わず滑り込む。静かにウィンドーが上がり、彼の世界は完全に遮断された。

 あの一発の銃声以来、小林美晴は煙のように消えた。

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