第45章 一緒に帰る

女は一歩踏み出し、葉山立夏を居丈高に見下ろすと、心臓を抉るような言葉を投げつけた。

「彼はあなたの利用価値を骨の髄までしゃぶり尽くすつもりよ。その上、不倫相手の隠れ蓑までさせるんだから。ねえ、葉山さん。これって随分と割のいい商売だと思わない?」

女の眼差しが険しくなる。

「下手な小細工は通用しないわよ。警告しておくけれど、もし会社のイメージや九条さんの名誉を傷つけるような真似をしたら、西園寺社長はあなたに『本当の生き地獄』を味わわせるでしょうね。その時は出て行くどころか、この街で野垂れ死にするしかなくなるわよ」

葉山立夏はソファの肘掛けに置いた指を無意識に強く握りしめたが、すぐに力を...

ログインして続きを読む