チャプター 11

テッサ視点

ドアを激しく叩く音が、ケインの到着を告げた。彼はそのまま部屋に入ってくる――さっきの彼の爆発があまりに怖くて、再び鍵をかけて閉め出す勇気なんて私にはなかったから……。

彼が足を踏み入れると、その視線が私を一巡した。ほんの一瞬、瞳の奥にかすかな称賛の色が見えた気がしたけれど、彼はただ一度、満足げに頷いただけだった。

「て、手伝ってくれませんか?」

私は恐る恐る尋ね、華奢な金のネックレスを差し出した。化粧台に掛かっていたのを見つけて、今夜だけ借りようと決めたものだ……。

すると、大柄な彼が近づいてきて、私の手からその繊細な飾りを受け取った。彼のごつごつとし...

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