第130章

「ケイン視点」

朝が訪れ、柔らかな灰色の雲と、小屋の大きな窓から差し込む金色の陽光が交じり合っていた。

暖炉の火はずっと前に燃え尽きて残り火になっていた。松の香りがほのかに漂い、それよりも温かい……彼女の香りと混ざり合っていた。

俺の匂いが彼女を包み込んでいた。内なる狼が喉を鳴らし、テッサと「番(つがい)」として完全に結ばれたことに満足し、満たされていた。

彼女は俺たちのものだ。何があってもそれは変わらない。

俺はしばらくじっと横たわっていた。体がこれほどリラックスしたのは数ヶ月ぶり、いや、数年ぶりかもしれない。

俺の腕は彼女に回され、テッサの裸の寝姿が俺にぴったりと寄り添...

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