第137章

ケイン視点

リコは俺たちを広い廊下へと案内し、突き当たりにある重厚なオーク材の扉へと向かった。

扉はわずかに開いており、中からはすでに低い話し声が漏れ聞こえていた。

彼は手首を軽く返して扉を全開にし、中へ入るよう促した。彼がどんなオフィスを構えているのか想像もつかなかったが、足を踏み入れたその場所は、俺の予想を裏切るものだった。そこはまるで、磨き上げられた要塞だった。壁一面の大きな窓からは、外の光がふんだんに降り注いでいる。

リコの部下が三人、すでに部屋のあちこちに配置されていた。俺たちが入った瞬間、彼らの視線が俺に走り、続いて俺の横にいるテッサへと向けられた。彼らは居住まいを...

ログインして続きを読む