チャプター 139

テッサ視点

私たちは大きなパラソルの下、クッションの効いたベンチに腰を下ろした。膝の上に皿をバランスよく乗せると、周囲からはパーティーの賑わいが心地よい羽音のように響いてくる。

一口目を食べるまで、自分がどれほど空腹だったか気づきもしなかった。ハーブと柑橘の香りをまとったローストチキン。その風味は瞬く間に舌の上で花開き、思わず涙が出そうになるほどだった。

「うわあ……」私は思わず呟いた。「食べ物がこんなに美味しいものだってこと、忘れてた」

エリンはすでに皿の半分を平らげていて、口いっぱいに頬張りながら力強く頷いた。「マジで誓うけど、施設でもこんな食事が出てたら、『番(つがい)』...

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