チャプター 14

テッサ視点

大階段を降りると、入り口のそばでケインが待っていた。彼の表情は落ち着き払っていて、ついさっき朝食の席であんなことがあったなんて嘘のようだ……。

私は残っている不安を押し殺し、彼のように何でもないという態度を装いながら近づいた。けれど、彼の視線が私に釘付けになっているせいで、必要以上に緊張感が高まってしまう。

「町を探索する準備はいいか? 俺のちっぽけな人間さん」

彼はからかうような光を瞳に宿して冗談めかして言った。その視線に背筋がぞくりとする。私の名前を知っているくせに、そうやって「ちっぽけな人間」と呼ぶのはやめてほしいのに!

それでも私は頷いた。今は...

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