チャプター 15

テッサ視点

近くの町を散策して長い午後を過ごした後、私たちは大急ぎで屋敷へと戻った。ケインが今日の手帳に予定していた、何やら重要な会議に間に合わせるために。

私たちの会話は素っ気ないものだった。私がまたしてもエリンの話題を持ち出そうとしたせいで、彼をさらに苛立たせてしまったようだったからだ。

「一時間ほど執務室にいる……屋敷の中を自由に探検するといい。まだほとんど見ていないだろうからな……ただし、外には出るなよ。もし出たら、すぐに分かるんだからな!」

彼はそう警告し、私に非難めいた指を突きつけて言葉を念押しした。私はただ頷くことしかできず、玄関ホールに取り残されたま...

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