チャプター 16

テッサ視点

セスがいきなりエリンのことを聞いてきて、私は完全に虚を突かれた。希望と不安が入り混じった感情が胸の中に渦巻く。

これは、私が待ち望んでいたチャンスなのだろうか? 夕食の席で、レオが彼女をどう扱っていたか、彼はじっと見ていた……もしかしたら、彼もあれは間違っていると思っているという、ほんのわずかな可能性があるんじゃないか?

「え、ええ、彼女は本当にいい友達で……昔からの!」

私は慎重に答え、セスの目を見つめたまま、彼がこの話の先に何を求めているのか、その真意を探ろうとした。

するとセスは動き出し、寄りかかっていたドア枠から体を離すと、近くのカウンターに近...

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