チャプター 43

ケイン視点

出口の正面玄関へ向かう間も、張り詰めた空気が消えなかった。テッサに「一生ここに閉じ込められる」「マーゴ・フェリシティの残酷な支配下で暮らすことになる」と思い込ませてしまったことに、今さらながら罪悪感を覚え始めていた。彼女がその両方に対してどれほどの嫌悪感を抱いているか、まざまざと見せつけられた後ではなおさらだ。

フェスティバルで二人が俺たちにした仕打ちは確かにある。だが、二人を怖がらせるためにここまで事を荒立てずとも、帰りのフライトの中で話をつけられたかもしれない。

テッサに関してはもう心配ない。俺たちが正式なパートナーとなるための書類手続きはすべて完了し...

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