チャプター 44

***** テッサ視点 *****

アンソニーの車がトレーニングセンターの入り口に止まると、張り詰めた空気が肌に感じられた。頭上に垂れ込める暗雲のように、予感される恐怖を振り払うことができない。ケインとセスからの「無視」はまだ続いているし、私たちに残された時間は刻一刻と過ぎていくのだから。

車を降り、登録のために見慣れた粗末な建物へと足を踏み入れる。ミス・フェリシティに再会しなければならないと思うと、気が重くて仕方がなかった……。

彼女は私たちのことが大嫌いなのだ!

センターに入ると、予想通りミス・フェリシティが「受付」カウンターの後ろに立っていた。ちっとも歓迎されていないその場所で、...

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