チャプター 58

テッサ視点

  • 虐待の描写あり -

夜明けの最初の光が独房の小さな窓から差し込み、冷たい石の床を青白く照らした。私はまばたきをして眠気を払いのけた。寝心地の悪いマットのせいで、体は強張り、あちこちが痛む。

この地獄のような場所で、また一日が始まるのだ。

上体を起こし、部屋の反対側にいるエリンの姿を探した。彼女もまた、睡魔と戦っているようで、緩慢な動きで身じろぎをした。

「おはよう」

私は疲労で掠れた声で呟いた。エリンは眠そうに目をこすりながら、うめくように答える。

「おはよう」

彼女は疲れ切った口調で呟き返し、重そうな体を引きずって上体を起こした。私は重いため...

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