チャプター 61

ケイン視点

「あいつは分かってるんだろうな? ヘマはしないだろうな? 万が一捕まりでもしたら、俺たちにとっちゃ最悪の事態だぞ!」

翌日になっても、テッサがいなくなってから一睡もしていない俺は、溢れ出る不安を怒鳴り散らすようにぶちまけた。

目は休息を求めて焼けるように熱いが、俺のプライドは何よりも勝っていた。テッサを取り戻すまでは絶対に止まらない、決意は固いのだ!

キオンは自分の送ったスパイが彼女を無事に連れ出せるよう祈っておくんだな。さもなきゃ、自分の首が飛ぶことになる……。

この作戦に、失敗という選択肢はない。もし捕まれば、関わった全員にとって致命的なことになる...

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