チャプター 76

***** テッサ視点 *****

食堂には、微かな話し声が漂っていた。私とエリンは、アルファ・キオンのパックハウスにある長い木製のテーブルに並んで座っていた。

空気はローストした肉やジャガイモ、焼きたてのパンの香りで満ちており、暖炉でパチパチと燃える火の温もりが束の間の安らぎを与えてくれている。だが、目の前に並べられた美味しそうな料理や、一日中親切な笑顔を向けてくれるキオンのメイドやスタッフたちの心遣いにもかかわらず、今の私には食欲のかけらもなかった。

私はフォークで食べ物を突き回すばかりで、頭の中は心配事と悪い想像の嵐が吹き荒れていた。エリンも似たようなもので、まるでマッシュポテトの...

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