チャプター 78

ケイン視点

尾根が前方にそびえ立ち、そのギザギザした稜線はまるで闇夜を切り裂く黒い牙のようだった。

照明弾の淡い残光がまだ脳裏に焼き付いている。それが、この戦争の幕開けだった……。

だがそれ以来、周囲の世界は死のように静まり返っていた。時折、ブーツの下で雪が軋む音だけが響き、俺たちは山の麓へと進んでいた。

「姿勢を低くしろ」俺は近くにいる部下たちに囁いた。声はほとんど聞こえないほど小さく、セスとヴィクトルに背後へ散開するよう合図を送る。尾根はそれほど高くはないが、慎重な足運びと沈黙を要する急勾配だった。

パーセルの情報は正確だった。ディミトリの狙撃手たちがここに陣...

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