第8章

花宮薔薇視点

捕らえられた黒羽赤司を見た瞬間、私の心は粉々に砕け散った。

巨大な網に絡め取られた彼は、もがけばもがくほど、その拘束がきつくなっていく。彼の顔に浮かぶ苦痛、そして瞳に宿る罪悪感と絶望が、私にもはっきりと見えた。

「全部、私のせいだ……」

押し潰されそうな罪悪感の波が、私を襲う。

私が意地を張って出て行かなければ、彼が守ってくれると信じていれば、ただ彼の言うことを聞いていれば……彼が私を助けようと、こんな悪夢に囚われることはなかったのに。

「花宮薔薇!」

黒羽赤司が苦悶の声を上げる。

「すまない……俺がもっと注意していれば……」

違う、謝るべきなの...

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