第23章 森家が彼女に気取らせる

大晦日、森家は賑やかだった。

森夫人は機嫌が良く、自ら厨房に立ち、鈴木莉緒は何もせずにいるのは申し訳なく思い、手伝いに行った。

「あなたは外で遥人さんと一緒にいてちょうだい。ここは手伝わなくていいから」

「本当に大丈夫ですか?」

どうあれ、自分は森家の嫁なのだ。大晦日で年長者が忙しくしているのに、自分だけ遊んでいるのは、少し物分かりが悪いと思われてしまう。

森夫人は笑って言った。「大丈夫よ。久しぶりに料理をするから、腕が鳴るの。あなたが手伝いに来ると、私のペースが乱れちゃうわ」

鈴木莉緒はそれを聞くと、すぐさま物分かりよく厨房から退出した。

森遥人と森様は外で碁を打っており、沖田...

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