第74章 前に言った好き、本当か嘘か

彼の手の甲には青筋がくっきりと浮かび上がり、覗く指の関節は骨張って美しい。彼女の指先がそっと彼の手の甲に触れると、二人の手はまるで芸術品のようだった。

綺麗。

鈴木莉緒は彼を起こしてしまわないか心配で、写真を撮り終えるとすぐに指を引き抜いた。

そして抜き足差し足で彼の部屋を出て、ドアを閉め、寝室に戻ってから写真を少し調整し、SNSに投稿した。

彼女は文章を付けず、ただ一枚の写真を載せただけだ。

白石知世がこの写真を見たら、怒りのあまり眠れなくなるのではないだろうか。

鈴木莉緒は得意げに笑った。

森遥人はベッドのヘッドボードに寄りかかり、鈴木莉緒が投稿したSNSを見ていた。

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