第76章 私に愛してると言って

白石知世の話になると、森遥人はどこか話題を避けるそぶりを見せた。

鈴木莉緒も、無理に問い詰めるつもりはなかった。

白石知世が森遥人にあれほど執着していなければ、彼女がここまで口を出すこともなかっただろう。

いや、これは口出しではない。ただ、二人の関係にどうしようもなく好奇心をそそられているだけだ。

これ以上自分を不快にさせたくなくて、鈴木莉緒は口を閉ざし、静かに食事を終えることにした。

彼女が急に静かになったことに、森遥人は少し戸惑いを覚えた。

何か言おうとしたが、また彼女を怒らせてしまうのではないかと危惧した。

森遥人も彼女と同じように、黙って食事を進めた。

食事が終わると、...

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