第55章

林久美は心の中で喜びを感じた。この少女も羽と同じくらい魅力的だ。残念ながら、彼女の息子にはすでに羽がいる。もしそうでなければ、こんなに心優しい少女を彼もきっと好きになるだろうに……

その頃、VIP病室では、林久美の看護師が焦っていた。

「どうしたんだ?」高橋涼介は電話を受けて急いで駆けつけた。

看護師はしどろもどろに説明し、彼の怒りを恐れていた。「若様、私はただ奥様のために買い物に行っただけです。戻ってきたら奥様がいなくなっていて、何度も探したのですが見つかりませんでした……」

高橋涼介の顔色は一気に悪くなり、一言だけ残して、「明日から来なくていい」と言い放ち、エレベーターに向かって...

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