第104章 竹中唯斗の処罰

二人がグラウンドの脇を通りかかると、うつむいて先生に説教されている男子生徒の姿が目に入った。

その男子生徒は背が高く痩せぎすで、汗に濡れた柔らかな栗色の髪が額に張り付いている。伏し目がちなその顔には、色素の薄い睫毛が驚くほど濃く、長く影を落としていた。透けるような白い肌に、走り続けたせいか乾燥して白っぽくなった唇。その様子は、見る者の庇護欲をそそるような痛々しさを漂わせていた。

北村由紀は、それが竹中唯斗——竹中萌香の兄だと気づいた。学校で派手に振る舞う妹とは対照的に、竹中唯斗は地味で目立たない。だがそれでも、彼の立場は少しも良くならなかった。

岡本凜太郎たち四人組に目をつけられている...

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