第83章 意気投合

山口豪の声には、はっきりとした心配が滲んでいた。

「夏美、パーティーはもう終わったのか? いつ帰ってくる?」

「うん、もう終わったよ。投票、一位だったの! 今みんなで外で夜食食べてお祝いしてるとこ」

山口夏美の声は、勝ち誇った子どもみたいに弾んで、語尾がふわりと上がる。

「やっぱり夏美が一番だな! で、今そこに誰がいる? 山口拓海は? あいつに送らせろ、早めにな」

妹ができてからというもの、山口豪は、外の男どもに騙されやしないかと、日々そればかり気にしている。若くてきれいな妹だ、言い寄る男はいくらでもいるだろう。おまけに従兄の山口拓海ときたら、あれはあれで...

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