第97章 突然現れた魚

山田祥生は木下日奈子の肩をポンと叩き、慰めるように言った。

「まあ、今日は運が悪かったと思って諦めようぜ。午後の老人ホームで頑張れば、挽回できるかもしれないしな。もし単位が取れなくても、俺が叔父さんに頼んで警告を取り消してもらってやるよ」

木下日奈子は渋い顔で首を横に振る。

「ううん、いいの。山田祥生、あなたが叔父さんに頼んだら、またお父さんの耳に入っちゃうかもしれないし……結局、私が怒られるだけだから。それに、これ以上迷惑かけたくない。今日はみんなに手伝ってもらっちゃって、ただでさえ申し訳ないと思ってるのに」

沈み込んでいる二人を見て、ダンス部の部員たちはここぞとばかりに嘲笑を...

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