第21章 中村様は彼女の手を離さない

佐藤桜はその言葉を聞いて、目を伏せて本当の感情を隠した。

どうせ離婚協議書にサインしたのだから、中村司が誰と一緒にいようと、誰を応援しようと、彼女には関係ない。

その後、中村ナナが何を言おうと、佐藤桜はもう彼女に構わなかった。

しばらくして、林田夕子がステージに上がり、堂々と今日の授賞式パーティーの開始を宣言した。「ご存知の通り、今年のコンテストのルールは前回と比べて変更があり、選ばれるのは十人だけで、一人が落選します。公平を期すために、採点時にはデザイナーの名前を隠し、発表の順番も少し変更し、十位から名前を発表します」

佐藤桜は前方の審査員席に中村司がいるのを見た。

明らかに彼は...

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