第38章 財産と色を騙されないように気をつけて

佐藤桜は玄関に立ち、ソファに座っている二人の大仏を見て、少し慌てた。

あのバカ野郎、おばあさんは二、三日後に来るって言ったじゃないか。

「桜ちゃん、お帰りなさい。こっちにいらっしゃい!」

中村お婆様は急いで彼女に手招きした。佐藤桜は微笑みを浮かべ、靴を脱いで中に入り、落ち着いた様子で手提げ袋をメイドに渡した。

幸いにもスーツケースを持ってこなかった。そうでなければ、絶対にばれていただろう。

佐藤桜は笑顔で中村お婆様の隣に座り、老人の手が以前より冷たくなっていることを感じた。

やはり中村司の言った通り、中村おばあさんの体調は最近良くないようだ。

中村おばあさんは彼女の手を握りなが...

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