第42章 太ももを見せたいのは誰?

佐藤桜は少し躊躇してから、電話に出た。「もしもし、どちら様ですか?」

「佐藤さん、こんにちは。中村さんの弁護士をしております。お二人の離婚手続きを担当しております。お時間ございましたら、一度お会いしてお話できますでしょうか?」

佐藤桜はその言葉を聞くと、目を伏せた。「はい」

昨日のことがあったから、中村司は今日約束を守らないだろうと思っていたし、それほど気にもしていなかった。

電話を置くと、自分の腹部に手を当てた。どうせ彼女はもう離婚協議書にサインしたのだ。こんなことにこだわっても仕方ない。

中村司と彼女はそもそも別の世界の人間なのだから。

佐藤桜は約束通りカフェに向かい、弁護士...

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