チャプター 13

オリオン

俺の秘書が即座に現れた。らしくもなく得意げな顔をしている。

「こんにちは、社長。僭越ながら、贈り物をお選びになるお時間が取れるよう、先に配達を手配させていただきました」

「何を選ぶんだ?」俺は詰問した。「リーブス先生への贈り物を何か用意しろとは言ったが、マンハッタン中の高級店を荒らし回れとは言っていない!」

「実は」と、聞き覚えのある声が背後からした。「それは私の仕業だよ」

振り返ると、祖父がまるで自分のものだと言わんばかりにオフィスに悠々と入ってくるところだった――まあ、厳密に言えば、その通りなのだが。しかし、ブライス・ブラックウェルは、六十五歳になる財閥の総帥には到底見え...

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