第1044章

セーラムが虚空を見上げると、氷のように冷たい純白の雪が頬を打ち、流れる涙さえも凍りつかせた。

これは因果応報なのだろうか?

かつて「息子」のために「正義」を求めてここに跪いたことがあったが、まさか今日この日、再び同じ場所に膝をつくことになろうとは夢にも思わなかった。

だが今回は違う。たとえ命と引き換えにしてでも、息子の無念を晴らさねばならないのだ!息子が逝ってしまった今、もはや跡継ぎも望めない。ならば、コニーを道連れにしてでも戦い抜く覚悟だった。

このまま運命に屈するつもりなど、毛頭なかった。

ターディ市の真ん中で起きたこれほど重大な殺人事件を、当局は見て見ぬふりをするつもりなのか?...

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