チャプター 1050

ふと我に返ると、あれほど暴れていたセーラムが動きを止め、白目をむいていることに気づいた。

無意識のうちに手の力を緩めると、セーラムはどさりと床に崩れ落ちた。もはやピクリとも動かない。彼は死んでいた――完全に、事切れていたのだ。

彼は息絶えた。

サハラの頭は真っ白になり、セーラムの亡骸をただ呆然と見下ろした。まさか、本当に首を絞めて殺してしまうなんて。

興奮剤の効果が冷めるにつれ、背筋に冷たい戦慄が走った。そのとき初めて、自分がとんでもない事態を招いてしまったことを自覚したのだ。

人を殺してしまった!

パニックに陥ったサハラは、助言を求めようとすぐさまウィニフレッドに電話をかけた。

...

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