チャプター 1073

静謐な空気は、芳醇な茶の香りに満たされていた。部屋にいるのは二人だけ。馨しい湯気を吸い込み、近隣から聞こえる賑やかな物音を耳にしながらも、両者の胸中には静かに煮えたぎる思惑が渦巻いていた。

実のところ、コニーはこれまでずっとエリザベスに対抗するための手を打ってきた。彼女は以前より、ジョーダン家とジョーダン・グループを虎視眈々と狙う闇の勢力の存在に気づいていたのだ。

その勢力は巧みに姿を隠しており、決して最近になって現れたものではなく、十年以上も前から存在していた。それは祖父の代から頭角を現し、祖父が重病に伏していた時期に、ジョーダン・グループを蝕み始めていたのである。

コニーが帰還したの...

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