チャプター 1080

部屋にいる誰もがそれぞれの思いを抱いていたが、ヒルダだけは全く動じていなかった。

ダミアンが食事に手をつけていないことに気づくと、ルナは自分の器を持って歩み寄り、もう自分では食べたくないものを彼に食べさせようとした。

「はい、おじいちゃん。これ、ルナの一番好きなコーンのお粥だよ。おじいちゃんのこと一番大好きだから、全部あげるね。残さず食べてね!」

ダミアンは無表情のまま、彼にとっては味のしないそれを少しだけ口にした。

「おじさん、うふふ……おじさん」リリーはダミアンの腕を掴んで揺らしながら、くすくすと笑った。

ヒルダはダミアンがこの環境に馴染めるよう、懸命に手助けをしていた。彼女にと...

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