第1277章

クラウスはそれに目をやった。営業許可証には『ルナ・クレモン・ペットアクセサリー・クリエイティブスタジオ』とある。

法人代表はネイサン、登録資本金は十万。登録住所はネイサンの別荘「インペリアル」の地下室となっていた。

必要書類も手続きも完璧で、一見するとまともな事業のようだ。

しかし、クラウスはこの違法な工房に保険をかけることには気が進まなかった。

彼は板挟みになってしまった。ネイサンをちらりと見て、父親として何か言ってくれることを期待した。だが、ネイサンに動く気配はない。ルナが自分で戦うことを学べるよう、あえて沈黙を守っているのだ。

彼女は自立を学ばなければならない。特に、彼がいなく...

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