第1283章

ヒルダとネイサンは手ぶらで帰宅した。普段なら農場へ行けば、地元の特産品でふくれ上がった土産袋をいくつも抱えて帰ってくるところだが、今回、彼らは食べ物一つ持ち帰ろうとはしなかった。

一方、ルナは相変わらず気前がよかった。彼女は農場でイチゴを摘み、鶏小屋から失敬した卵数個と一緒に丁寧に箱に詰めていた。二人の協力関係にちなんでテディへの新年のお祝いにしようと、彼女はその箱にリボンをかけ、スーツケースに忍ばせていたのだ。

ルナからの贈り物を受け取ったテディは機嫌を直し、そのお返しとして、決して少なくない金額の入った赤い祝儀袋をルナに手渡した。

ルナは大喜びしたが、なんと、そのイチゴと卵をすべて平...

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