第1330章

結局のところ、ネイサンは生命を維持するためのコールドスリープに入ることとなった。治療法が見つかるその時まで、彼の病状は現状のまま凍結される。そして治療法が確立されれば、彼は眠りから覚め、治療を開始することになるだろう。

だが、未来にはあまりにも多くの不確定要素が潜んでいた。コールドスリープ技術は、いまだ黎明期にあったからだ。数十年前にいくつかのグループによって研究が行われたものの、その大半は失敗に終わっている。

これまでのところ、成功例はジェレミただ一人。それも、ごく短期間の睡眠に限った話だった。

もし冷凍保存に失敗したり、未来の世界で激変が起きたりすれば、何が起こるか誰にも分からない。...

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