チャプター 177

彼女はグレーの箱に収められた巨大な指輪を見つめた。ルビーのような深紅の輝きが、彼女の顔を照らしている。

「こ、こ、これって、あのお店の『インペリアル・ダイヤモンド』じゃない?」

そのダイヤモンドは完璧なカッティングが施され、一点の曇りもない優美な仕上がりだった。全体から高貴なオーラが漂っている。それもそのはず、数十人のトップ職人が一年がかりで彫り上げた代物なのだから!

ヒルダはついさっき店で見たばかりだ。見間違えるはずがない。

しかし、まさかヌエラとガスパーが持ってきたスナック菓子の山の中に、このインペリアル・ダイヤモンドが紛れ込んでいるとは夢にも思わなかった。

ヒルダはおそるおそる尋ねた。...

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