チャプター 222

ターディ広場は、ターディ市でも一二を争うほど賑やかで活気のある広場だ。今日は特別な祝日というわけでもないのに、広場には多くの人々が集まっていた。だが、先ほどの突然の惨劇の後、広場からはほとんど人影が消え失せていた。パニックによる将棋倒しで負傷した数名が、広場のあちこちで地面に倒れ伏し、苦痛に呻き声を上げている。

カフェの中にも、かなりの数の人々が身を潜めていた。

ドアの陰に隠れながら、ヒルダは小声でレックスに尋ねた。「こういう人の多い場所には、武装警官がパトロールしているはずじゃないんですか?」

レックスはかつて軍に所属していた経験がある。彼はヒルダを掴むと、狙撃手から死角となる場所へと身...

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