チャプター 354

ヒルダがステージに姿を現すと、ファンたちは一斉に「ミス・ミスティ」と書かれた横断幕やボードを掲げ、熱烈な声援を送った。

司会者が声を張り上げた。

「まさかミス・ミスティご本人が、本当にこの会場にいらっしゃるとは! 驚きです!」

ヒルダは少し照れくさそうに、自分のプロモーションビデオや写真が映し出されている巨大スクリーンを見上げた。

おそらく、待ちに待った超大物ゲストがまだ到着していなかったのだろう。司会者は時間を稼ごうと、必死にヒルダへマイクを向けて話を繋いでいた。

これほど壮大なイベントで話すのは、ヒルダにとって初めてのことだった。以前参加した美人コンテストとは、規模がまるで違っていた...

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