チャプター 391

ネイサンは地下室へと降りていった。昨夜は情事に忙殺されていたため、ジョナサンに顔を見せる暇さえなかったのだ。

「調子はどうですか? コニー・プレシャス・ジョーダンは見かけましたか?」

ネイサンが姿を現すなり、ジョナサンが矢継ぎ早に尋ねた。

ネイサンは首を横に振った。

「いや、息子のリナックス・ジョーダンだけだ」

ジョナサンは即座にデータベースで「リナックス」を検索した。

ジョーダン家自体、どこか謎めいた一族ではあったが、このリナックス・ジョーダンという男は、家族の中でも輪をかけてミステリアスな存在だった。今年はまだ弱冠二十歳。十六歳で初めて公の場に姿を現すまで、その経歴は完全な空白となっ...

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