チャプター 437

ネイツ老夫人はようやく涙を収め、隣に佇むテヒラに視線を向けた。その赤く腫れぼったい目には、慈愛の色が満ち溢れている。テヒラはすかさず自分のハンカチを差し出し、老夫人の涙を拭わせた。

「テー、お前は本当に優しい子だね!」ネイツ老夫人は感嘆の声を上げた。

「おばあ様、おばあ様が幸せなら、私も幸せです!」テヒラはそう答えると、無邪気さを装ってペロリと舌を出してみせた。

続いて、ネイツ老夫人は自然な仕草でテヒラの手のひらに自分の手を重ねた。テヒラはその手を引いて、老婦人をソファの方へとエスコートする。その姿は、まるで長年そうして尽くしてきたかのように板についていた。

その光景を見つめながら、ヒ...

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