第471章

リナックスの隣にはペットキャリーが置かれており、中には小さなペルシャの子猫が入っていた。まだ幼く、丸々としていて、オレンジ色の毛並みをしている。今は眠っているようだ。

「リナックス、それ、あなたの猫?」テヒラは興味津々に尋ねた。リナックスは頷き、微笑むように少し口元を緩めた。そして身をかがめてペルシャ猫を取り出し、腕に抱いた。指一本で撫でると、猫は体を伸ばしながら心地よさそうに喉を鳴らした。

首には小さなリボンが結ばれており、たまらなく愛らしい。「これは女王陛下の飼い猫が産んだ、唯一の子猫なんですよ」とリナックスは説明した。「たまたま女王陛下を訪問した際に、譲っていただいたんです」

それ...

ログインして続きを読む