第五十一章

アンソニーはクレモン老人を一瞥すると、小首をかしげた。嘲るような笑みを浮かべ、こう言った。「おいジジイ……いや、お祖父様と呼ぶべきだったかな」

「ふん、誰がお前の祖父だ」クレモン老人は彼を睨みつけた。

「認めるか認めないかは関係ない。あんたは俺の祖父だ。俺の実の父親は、あんたの息子、ダミアンなんだからな」アンソニーは諭すように言った。

アンソニーを見つめたまま、老人の体は硬直した。長い間、我に返ることができなかった。

アンソニーは冷笑を浮かべて続けた。「あの時、あんたの息子がどうやって数ヶ月で巨大麻薬密売組織を壊滅させたと思う? 知らないかもしれないが、奴らは百年近くも東南アジアの『黄...

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