チャプター 568

とっさに、リリーは降参するように両手を上げた。「無理よ! 私がどんな人間か知ってるでしょ」

リリーは戻ってきたものの、普通の生活を望みつつも、まだ叶えたい夢があった。怪我が回復し次第、軍隊に戻るつもりでいたのだ。

ヒルダは生まれたばかりの双子を覗き込み、ふとあることに気がついた。時折ネイサンがナヨナヨして見えるのに比べ、リリーの方がよほど「男らしい」のだ! 少なくとも、振る舞いに関してはネイサンよりもずっと男前だった。

テヒラが監禁したリリーを男だと勘違いしたのも無理はない。喉仏に注目しなければ、リリーを女性だと見抜くのは困難だったろう。

チッ! 彼女には確かに女性を惹きつけるイケメンな...

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