チャプター 573

レックスのこめかみがずきずきと脈打った。前回の事件でネイサンにたっぷりとお灸を据えられたばかりだというのに、どうやら今日もまた、説教を食らうのは避けられそうになかった。

嫌だ!

たとえ天が崩れ落ちようとも、家族の序列が上の誰かが俺の代わりになればいい。俺は家族カーストの最下層なんだぞ。清く正しい、純真無垢な赤ちゃんなんだ! 何があっても、二度とお仕置きなんて御免だ!

レックスは慌ててトーマスを捕まえると、脱兎のごとく逃げ出した。「司令官、ケーターが一人で外にいるのを怖がってるんで、お先に失礼します! それじゃ、また。へへっ……」

怒りに震えるカイルが、ソニアを手招きした。「来い、ソニア...

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