第641章

昨夜、部屋を出る前、ネイサンはカレブをセキュリティモードに設定しておいた。もし侵入者がいれば即座に攻撃を仕掛け、知っている顔なら出迎えに出てくるはずだった。

ところが昨夜、ネイサンが戻ってきても、カレブは出迎えに出てこなかった。そればかりか、今日になっても姿が見えない。

「カレブ?」

ネイサンは声をかけた。返事がないため探してみると、部屋の隅にカレブがいた。電源が落ち、沈黙したまま佇んでいる。

電源を入れ直してみたが、反応はない。充電も試みたが徒労に終わった。

また壊れたのか! こいつは一体どうしてこう頻繁に故障するんだ?

カレブの故障を知ったヒルダは、すぐに工具を掴んで修理を始め...

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