第658章

ケーターは舌を出し、ヒルダの後を追って駆け回っている。実に活発だ。対照的に、コラードは古参兵のようにネイサンの傍らで寝そべっていた。

コラードはそれほど活動的ではない。一方、スノーボールは白い毛玉となって水辺で戯れている。砂浜を転げ回って戻ってきた頃には、見るも無惨な泥だらけの姿になっていた。

コラードは漆黒の犬だ。黒色は熱を吸収するため、あまりの暑さに耐えかねて舌を出し続けている。そのため、ビーチパラソルの日陰に身を潜めていた。ネイサンはジュースを啜りながらその頭を撫でたが、焼け付くような熱さが手に伝わってきた。そこで彼は、体温を下げてやるために氷水をグラスに注いでやった。ちょうどその時...

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