第682章

ジュリアナの車は焼けた死体を轢き、身の毛もよだつような砕ける音を響かせた。

一連の攻防を終え、ジョーダン・キャッスルの門が開かれた。巨大な扉が堀の上に倒れ込み、跳ね橋となる。城からは数台の車が走り出て、防護服に身を包んだ大勢の男たちが戦場の清掃に降り立った。

ここ最近、城を訪れる部外者は後を絶たなかった。彼らは追い詰められた弱小勢力か、あるいはウイルスに感染し、最期の望みをかけて助けを求める民間人たちだった。

城の者たちが、助けを乞う者に慈悲を見せることは決してない。ただ見殺しにするだけだ。城外には腐乱した死体が層をなして積み重なり、強烈な悪臭を放っている。「ウイルス23」による死者の骨...

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