第七十四章

しばらくして、ネイサンは病室に戻った。相変わらず白衣に眼鏡、マスクという出で立ちで、他の医師たちの後ろについてヒルダの様子を確認した。

レーザーによる傷跡治療の第一段階を終え、数種類の薬の助けもあって、彼女の顔の回復は順調だった。傷跡はかなり薄くなり、肌も徐々に滑らかさを取り戻しつつある。まだ広範囲にうっすらと痕が残ってはいるものの、ヒルダは鏡に映る自分の顔を見て満足げな表情を浮かべ、心なしか浮き立っているようだった。

その時、彼女は誰かの熱っぽい視線を感じてふと顔を上げた。人だかりの方を見たが、目に入ったのは背を向けて去っていく人物の後ろ姿だけだった。

コニーはこの結果に喜び、すぐに次...

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