第七十三章

トーマスの報告を聞き、コニーは冷ややかに言い放った。「ダミアン家も地に落ちたものね。あんなはした金に執着するなんて。あいつらに渡すぐらいなら、全部売り払ってこのハスキーの餌代にしたほうがマシよ」

すると突然、ケーターが風のような速さで現れた。舌を出し、尻尾を振りながら、期待に満ちた目でコニーを見つめる。

それを見たコニーは眉をひそめ、「ただの例え話よ。夢を見るのはやめなさい」と言った。

それを聞いたケーターは腹を立て、すぐさまきびすを返してケージに戻っていった。もうコニーの相手をするのは御免だと言わんばかりに。

なんて人だ……犬にまで嘘をつくなんて。

トーマスは苦笑いを浮かべた。

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