第七十五章

翌日、ヒルダとコニーは軍の居住区へと向かった。一方、ネイサンも同行し、ルナを連れてきていた。

到着して間もなく、キャノン家の老当主が出迎えてくれた。彼は高齢にもかかわらず意気軒昂で、一行の来訪を心から喜んでいた。

キャノン邸への訪問に加わったケーターは、軍の居住区に入るやいなや姿を消した。結局のところ、ここは彼が育った場所なのだ。レックスが引っ越した際、ケーターも一緒に連れて行ったのだった。

その時、ルナも自分の小さな遊び相手を探しに行った。

「インペリアル」は軍の居住区からそれほど遠くなかった。当時、ネイサンは家を空ける際、よくルナをクレモン家とキャノン家の間に預けていたものだ。その...

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