第761章

三年前、彼は雲の上の存在で、遠くから仰ぎ見ることしかできない気高い王子様だった。だが今や、ただの没落した貴公子に過ぎない。今回、彼をベッドに連れ込むなんてわけないわ。

彼女は瞳をぎらつかせ、大股で彼の方へと歩み寄った。

一方、ネイサンはすでに自分の元へ到着していたローン監督を問い詰めていた。「どういうことだ?」

ラストシーンはルナのために用意されたもので、当初の予定では適当な女優を見つけて、ルナを連れて博物館を回らせるはずだった。ところが蓋を開けてみれば、その女優というのはダイアナ・モニだったのだ。

ローン監督はバツが悪そうに口ごもった。「あー、その……ご存知の通り、興行収入が心配でし...

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